各種エコー検査とは
「エコー検査」とは、X線撮影(レントゲン)やCT、MRIなど同じく、体内の様子を画像として映し出し、モニターを介して病変の有無を視認できる画像診断の一つです。
「エコー(echo)」とは、超音波(通常に耳で聞く音よりも周波数が高い音・振動波)のことです。評価部位(頸部:頸動脈、胸部:心臓 乳房、腹部:肝臓 胆嚢 膵臓 腎臓 脾臓 一部の描出可能臓器(膀胱 前立腺 卵巣・子宮)など)に体表面からプローブ(探触子)を当てます。内臓器に当たり、反射した波長(反射波)を利用して、同検査装置内でコンピュータ処理。体内の様子を画像化することで、病変のチェックなどができるようになるのがエコー(超音波)検査です。
検査の手順は以下の通りです。
- 頸部、心臓、腹部の対象部位にジェル(ゼリー)を塗布します。
- 頸部、腹部:ベッドに横になります。(背臥位)
- 心臓:左半身を下にして、可能なら左腕を頭側に挙げた状態で行います。(左側臥位)
- メリット
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- X線、CT検査と異なり、放射線被爆の心配はなく、圧迫以外の負担は最低限の検査です。
- CT/MRIと異なり、当院内での検査完了となります。
- CTに比べて、エコーは標的臓器の微細変化は捉えやすい特徴があります。
- デメリット
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- 検査者のスキル、被験者のその都度の体内環境(ガス貯留や食事内容)や肋骨位置など体格などにより、超音波が適さず、十分に臓器を評価(描出)できない場合があります。
- CT/MRI検査と異なり、客観性や再現性に乏しい場合があり得ます。
- 身体を触られることやジェル塗布に、不快を感じる方は事前相談下さい。
当院では、以下の各種エコー検査を行っています。
検査時間は部位によって異なりますが、10-20分程度になります。
- 腹部:平日(木曜除く)および土曜一部 予約/予約外いずれも可能
*予約外でも5時間以上の空腹時で、お待ちいただければ、診療の一貫で随時行います - 頸部(①頸動脈 ②甲状腺):指定日
- 心臓:指定日
- 乳房:指定日
- 腹部エコー(腹部超音波検査)
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腹部にプローブ(探触子)を当てることで、腹部臓器の様子を確認することができます。
対象臓器:- 肝臓
- 胆嚢/胆管
- 膵臓
- 腎臓
- 脾臓
- 腹水の有無
- 腸管浮腫の有無
- 一部の胃・大腸・虫垂
- 尿管/膀胱
- (男性)前立腺
- (女性)子宮/卵巣
など
見つかる主な疾患:- 脂肪肝
- 肝腫瘍/肝がん/肝血管腫
- 肝嚢胞
- 肝内結石/石灰化
- 胆石症/胆嚢ポリープ
- 膵腫瘍(膵嚢胞/IPMN/膵癌)
- 脾腫
- リンパ節腫大(肝外/大動脈周囲)
- 腎結石
- 腎嚢胞
- 腎腫瘍/腎がん
- 水腎症/尿管結石
- 膀胱壁肥厚(腫瘍)
- 前立腺肥大
- 前立腺がん
- 子宮筋腫
- 卵巣腫瘍
- 頸部動脈エコー(頸動脈超音波検査)
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頸部にプローブを当てて、頸動脈の走行、血流、壁肥厚・内膜厚や血管の詰まり具合(動脈硬化・プラーク・石灰化)の有無などを確認します。
頸動脈の動脈硬化の確認や、脳梗塞の発症既往/発症後の方や、脂質異常症の方には実施をお勧めします。- 頸動脈硬化
- 頸動脈プラーク
- 頸動脈狭窄
- 甲状腺エコー(甲状腺超音波検査)
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頸部前面(甲状腺…男性では喉仏の辺り)にプローブを当てます。
甲状腺両葉(右葉 左葉)および中間部(峡部)の内部の均一/不均一、腫瘤(嚢胞、腺腫様甲状腺腫、甲状腺がん など)
甲状腺のホルモン変化/機能変化のある方、甲状腺腫大のある方にはお勧めします。 - 心臓エコー(心臓超音波検査)
- 心臓の大きさ、壁運動/厚さ、弁の状態(逆流 狭窄の程度)、圧格差などを確認することができます。
- 心筋梗塞
- 心臓弁膜症
- 心筋症
- 心肥大
- 心筋炎
- 心嚢液貯留
- 乳腺エコー(乳腺超音波検査)
- 乳房組織内の石灰化、腫瘍の有無などを確認します。
- 乳腺症
- 乳がん