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循環器疾患

心房細動(発作性/慢性・持続性)

循環器疾患

「心房細動」とは、不規則な心臓の収縮を繰り返している不整脈のことです。症状はまるで心房が痙攣しているかのように細かく拍動し、心房が正しく収縮および拡張がされていない結果、血液が心臓内で乱流する状態です。

正常な心臓であれば、安静時は1分間に60~100回 規則的に拍動します。心房細動になると、心房の拍動数は1分間で時に頻脈性では300回以上にも達し、不規則に速く拍動するようになります。持続時間によって2つのタイプ:①発作性心房細動(一時的に起こる)と②慢性・持続性心房細動(持続的な心房細動)に大別されます。

発症原因については、弁膜症や心筋症といった心疾患の一症状、高血圧症や甲状腺機能亢進症、加齢性変化、感染や脱水などといったことでも現れるようになります。

主症状には、動悸、息切れ、めまい感、胸が苦しいなど様々ありますが、なかには自覚症状がみられない方もいます。ただ心房内で血液の乱流の結果、血栓ができやすくなります。結果、発生した動脈血栓は動脈血流に乗り、脳血管での脳梗塞の発症リスクをあげることにもなります。心不全予防と共に、早期発見、血栓予防をしていくことも大切です。

診断には簡易的な12誘導心電図を用います。その結果、治療検討とします。発症時期が明らかな心房拡大などない場合はリズムコントロール(洞調律の維持)として抗不整脈による薬物療法へ、レートコントロール(心拍数の適正維持)としてβ blocker薬やジキタリス製剤などの薬物療法が用いられます。平行して血栓・塞栓症を予防する為、ワーファリンや直接経口抗凝固約(DOAC)などを使用します。また適応があれば、不要な電気回路をカテーテルで焼灼する、カテーテルアブレーションや左心耳閉鎖術など特殊治療もあります。

弁膜症

心臓内部には、心房と心室の間、心室と動脈の間で開閉する4つの弁(僧帽弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁)が存在します。この弁膜が正しく機能していない状態を「弁膜症」と言います。さらに「狭窄症」と「閉鎖不全症」(逸脱症)に分類され、双方が合併することもあります。中でも僧帽弁と大動脈弁で起きる弁膜症(狭窄、閉鎖不全)が多いです。

発症原因には、主に加齢による弁の変性・硬化、リウマチ熱の後遺症、先天的な弁の形態的異常、薬剤性、動脈硬化や心筋梗塞(後)なども考えられています。病状が進行し、弁としての機能がさらに低下すると心臓に多大な負荷がかかっていきます。その結果、動悸、息切れ、疲労感、胸痛、呼吸困難などの症状が出るようになります。一般的には病状は非常にゆっくり進行するものなので、それに体が順応してしまうことから自覚症状が出にくいということもありますので要注意です。なお、弁膜症を進行させすぎると心筋全体が病気となります。このような状態になったら手術療法で心筋の障害を取り除くのは難しく、元々の心臓の動きを取り戻しにくくなります。早期に診断・治療を行うことが重要です。

診断は、まずは臓超音波検査でつけます。治療には、心不全などの症状が現れていれば利尿薬などの薬物療法が優先されます。薬物療法では改善困難と判断されると、弁膜症のタイプや弁膜の損傷程度により、手術療法(弁形成術、人工弁置換術など)が行われます。

心不全(HF:heart failure)(急性/慢性)

  • (左室駆出率が維持 左室拡張機能障害:HFpEF(=HF with preserved ejection fraction))
  • (左室駆出率が低下した状態:HFrEF(=HF with reduced ejection fraction)

心臓(心筋)の収縮、弛緩機能が低下することで、ポンプとして全身の組織に十分な血液が送り出ていない状態が「心不全」です。肺を介して酸素濃度の安定した血液が送り出されず、血液が溜まること(うっ血)を指します。心機能の低下には、主に心筋梗塞、不整脈、弁膜症、高血圧、心筋症などの原因が考えられます。発症時期により急性に心機能が低下する「急性心不全」と緩徐に心機能低下しつつある状態「慢性心不全」に大別します。

初期には、疲れやすい、だるい、動悸がする、といったものがみられます。また、うっ血が肺に生じた場合は、息切れや息苦しくなる症状が現れ、下肢など各部位にうっ血がみられると、むくみが現れます。さらに肝臓や胃腸にまでうっ血が起きて腫れてしまうと、お腹に張り、吐き気・嘔吐、食欲が落ちることもあります。なお、このような症状の現れ方は、心不全の重症度・進行度によって違ってきます。

血液検査や心電図、胸部レントゲン、心臓超音波検査などで診断します。急性心不全の場合は、直ちに治療をする必要があります。酸素吸入の上、心臓負荷を軽減する為に利尿薬や血管拡張薬などを使用して、まずは症状を緩和させます。平行して病因となる虚血や不整脈など診断確定の上、その治療も行います。慢性心不全の場合も利尿薬や血管拡張薬、強心薬といった薬物療法が行われますが、心不全を起こしている心疾患が手術によって治療可能という場合は、手術療法が検討されます。近年、HFpEFによる心不全概念が話題となっております。高血圧性心疾患など、高齢女性での発症に配慮が必要です。

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